そういうわけで、東京から新幹線に揺られること3時間とちょっと、岡山駅にやってきたのである。大都会のターミナル、何があるのでしょうか。
ゴダイゴの『銀河鉄道999』が発車メロディで流れる新幹線ホームから階段を降りると、在来線に直接つながる連絡改札と橋上駅舎の自由通路に出る改札口が待っている。岡山駅は、地上にJRの在来線が通り、2階に改札口などがある橋上部分、3階に新幹線のホームがあるという3層構造になっているようだ。
新幹線は2面4線とありふれたものだが、在来線は実に4面10線。駅の東側にある新幹線側の在来線ホームを主に山陽本線が使い、真ん中に瀬戸大橋方面の列車、西の端っこは津山線・吉備線というディーゼルカーだけが走る路線の列車が使っている。東から西まで、ずいぶん広い構内を持つターミナルだ。
構内をうろうろしていると、ときおり各ホームの発車メロディが耳に聞こえてくる。新幹線はゴダイゴだったが、在来線は『いい日旅立ち』や『瀬戸の花嫁』などなど。なんともまあ、旅情を誘うメロディーばかりだ。さすが、中国地方における最大の交通の要衝である。
いつまでも駅の構内をうろついていても、これは乗り換えだけで岡山駅を使うお客も知っている範囲内。なので外に出ねばならない。改札口を抜けた先、自由通路を間に挟んで「さんすて岡山」なる商業施設がある。
「さんすて」というのは岡山あたりでよく見かけるJR西日本系列の駅ビルの商業施設。つまりこの中に入れば、お買いものもできるし食事もできるし土産物も買える。東京の人にもわかりやすく言うとすれば、アトレみたいなものだと思っていただければいいと思う。
東から西まで幅の広い岡山駅を跨ぐ自由通路は、西側が「運動公園口」、東側が「後楽園口」と名付けられている。
運動公園口と名付けられているからには駅の西側には運動公園があるわけで、少し北に離れたところに岡山県総合グラウンドという陸上競技場から体育館(アリーナ)、野球場まで揃った文字通りの運動公園がある。
もともと陸軍の練兵場だったところを1962年の岡山国体にあわせてそのメイン会場として整備されたものだ。岡山県では2005年にも国体(晴れの国おかやま国体)が開催されており、その際に建て替えなど再整備が施されている。
対して東側、「後楽園口」はもう詳しく語る必要もないのではないか。偕楽園・兼六園と並んで日本三大庭園のひとつにあがる景勝地・後楽園である。旭川を間に挟んで岡山城と向き合うように広がる岡山藩主の庭園だ。
といっても、運動公園と同じく駅からは少々距離がある。ほんのちょっと、駅前の目抜き通りを走る路面電車に乗って岡山城のふもとまで行って、旭川を渡らねばならない。