伊号第402潜水艦(伊402潜)


 攻撃機を搭載した「水中空母」伊号400型の3番艦。 全長122メートル、水上排水量3530トン、水中排水量6560トンという巨艦で、特殊攻撃機「晴嵐」を艦内に3機搭載、3万7500海里(約7万キロ)という長大な航続性能を生かし、米本土を攻撃することを目的としていた。
 伊号400型は1942(昭和17)年に開発が始まり、18隻を建造する計画だった。 しかし、戦況の悪化に伴って建造数は5隻に縮小され、1隻当たりの攻撃力を高めるため、攻撃機の搭載数を当初の2機から3機に増やした。 1番艦の伊400潜は44(昭和19)年12月、2番艦の伊401潜は45(昭和20)年1月に竣工。当初はパナマ運河の攻撃が計画されたが、後に米海軍の拠点となっていた西太平洋カロリン諸島のウルシー環礁を攻撃することになった。 両艦は晴嵐を合計6機搭載して同年7月26日に青森県の大湊から出撃したものの、攻撃地点に到達する前に終戦を迎えた。
 伊402潜は45(昭和20)年7月に竣工、ウルシー環礁攻撃には間に合わず、実戦に参加することがないままに終わった。 写真は広島県の呉軍港に係留中の姿。司令塔の前面に突き出ている円筒形の部分が攻撃機の格納庫で、その前方に射出用のカタパルトが装備されている。 
(1945年撮影) 【時事通信社】