伊号第 29 潜水艦(伊 29 潜)


 1944(昭和19)年に訪独潜水艦としてドイツが占領中のフランス・ロリアン港を訪れ、約1カ月の滞在の後、帰国のため出港する伊号第29潜水艦。伊29潜は武装として司令塔と後甲板に25ミリ連装機銃を合計3基搭載していたが、ドイツからマウザー20ミリ4連装機銃2基とクルップ37ミリ単装機関砲1門の供与を受け、帰国時はそれらを装備していた。 この写真でも司令塔の後部に20ミリ4連装機銃が搭載されているのが見える。
 伊29潜はドイツが開発したロケット機、ジェット機など最新軍事技術の資料や実物を積載して帰国したが、シンガポールから日本本土に向かう途中で沈没、それらのほとんどが失われた。 一部の資料はシンガポールで下船した技術士官が携帯していたため日本に持ち帰ることができたが、ドイツの最新技術を再現するには不十分な内容で、後に日本海軍が手掛けたロケット機「秋水」やジェット機「橘花」の開発は難航した。
(1944年04月16日撮影) 【時事通信社】