伊号第 15 潜水艦(伊 15 潜)


 日本海軍が1937(昭和12)年から開発を始めた「乙型」潜水艦の1番艦。全長108.7メートル、水上排水量2198トン、水中排水量3654トン。ディーゼルエンジン2基で1万2400馬力の出力を発揮し、水上23.6ノット、水中8ノットの速力を出すことができた。  伊15潜は40(昭和15)年9月、呉海軍工廠で竣工した。 写真は竣工直前に広島湾で行われた公試で、全力航行する姿。 司令塔の前部に見える円筒形の構造物は艦載機の格納庫で、その前には艦載機を射出するカタパルトを装備している。
 伊15潜は竣工翌年の太平洋戦争開戦時には第1潜水戦隊に所属し、真珠湾攻撃作戦ではハワイ北方の哨戒任務に就いた。 その後、米空母を追って米国西海岸まで進出し、通商破壊作戦に従事した。 42(昭和17)年には第2潜水戦隊に編入され、敵機動部隊の迎撃作戦などに参加。 同年11月、ソロモン諸島方面で作戦行動中に消息を絶った。
(1940年09月撮影) 【時事通信社】